2019年2月17日日曜日

[本当にあった怖い話]安置所に現れた女の子

怖いといより不思議な話になります。Sさんは、とある市の火葬場に勤務していた。そんなある冬の日のことだ。市街地からスキー場に向かう山麓の峠道沿いで変死体が発見された。



Sさんは職務上、警察関係者と同行し御遺体の搬出を手伝った。遺体はかなり腐敗が進み人相も着衣もボロボロだった。後の検視の結果で若い女性ということだけはわかった。警察は県下一円に身元確認のため手配し、遺体は規定に則って一か月間は火葬場の遺体安置所に置かれることとなった。

しかしまもなく一ヶ月が経とうとしても身元不明のまま引き取り人は現れなかった。 Sさんは「明日で一ヶ月か、身元がわからないまま火葬しなければならないのは何とも可哀そうなことだな」と複雑な思いにさいなまれた。

夕方頃だった。Sさんは事務作業をしていると外で犬が吠えだした。裏山に住んでいる野良犬なのだが、人懐っこい犬で火葬場の職員たちにも可愛がられていて、この時間は御飯のおねだりに来る時間帯なので、また遊んで御飯をもらうつもりだろうと思った。 だが少し様子がおかしい。Sさんたちを呼んでいるんじゃなく威嚇しているような吠え方だ。

火葬相談か誰かが来ているのかもしれない。Sさんは外に出てみた。だが犬はまだけたたましく吠えていたが誰もいない。不思議に思いながら周囲を見渡してみた。ヒョイと安置所の方に目を向けると若い女の子が微笑んで立っている。Sさんは少し驚いたが軽く会釈をし、よく見ると両目を閉じており、どうやら目が見えない娘さんのようだ。だがなぜ女の子が1人でここに?

犬はますます吠えたて娘さんの方に走り寄って行く。Sさんも犬を追ってその子の方に駆け寄ろうとすると、その子は安置所に吸い込まれるようにスッと消えた。Sさんは特に怖いとは感じなかったが、火葬場の敷地に若い娘さんが一人立って目の前で消えるとは普通ではない。まさか明日火葬される身元不明の御遺体の生前の姿っだったのではないか?そこですぐ警察暑へ電話をしSさんが見た人相や服装など外見をありのままに報告した。

警察はすぐに調査を開始した。捜索願いが出ているデータの中から年の頃、人相、服装が類似している行方不明者や家出人をリストアップ。するとK町で半年前から行方不明になっている女子生徒が浮かび上がってきた。当時、女子生徒は盲学校に通っていた。

警察はすぐその子の両親に連絡をし深夜、両親は一枚の写真を持って火葬場に到着した。Sさんが写真を見せてもらうと紛れもなく、あの子だった。両親立ち会いの上で棺の蓋を取り遺体を見てもらい間違いないことが確認された。両親は泣き崩れた。

Sさんは目の見えない女の子の遺体がK町から数十キロも離れたスキー場近くで発見されたことから、誘拐か他殺であろうことは容易に想像ができることで、お悔やみの言葉を伝えたが両親は「火葬される直前に身元がわかり、我が子に対面できただけでも良かった」と悲しみにじっと耐えていたという。翌日遺体はSさんに火葬され両親は厚く礼を述べ我が子の遺骨とともに町へ帰って行った。

お読みいただきありがとうございました。 


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