2019年9月23日月曜日

[本当にあった怖い話]母子の霊を乗せたタクシー「病院へ・・・」

群馬県M市でタクシーの運転手をしている坂本さん(55)の体験談です。坂本さんは深夜11時頃、空車となって郊外から市街地へとタクシーを走らせていた。いつも通る道は工事中で迂回することになったが、少し遠回りになるだけで、よくあること。雨が強くなり出したこともあり、ゆっくり戻ろうという気持ちで運転していた。
 
しばらくして家の民家もない寂しい道に通りかかった。前方を照らすライトの中に人影が浮かんだ。よく見ると道路脇で女性が小さい子供を抱いてかがみこんでいる。こんな時間に何をしているのだろう?しかも雨の中で。坂本さんは迷ったが、タクシーを停車させ車を降りて女性に声をかけてみることにした。「どうしました?!」

母親らしい女性は、スッと顔を上げ「この子を病院へお願いします」とか細い声で言った。母親の顔は青白く生気のない顔していて、坂本さんは思わずギョっとしたが、あえて普通にふるまって「ちょうど私のタクシーが来たんですね、どうぞ乗ってください」と後部座席のドアを開けて乗り込ませた。

坂本さんは「市内の病院に向かいますから」そう言ってタクシーを発車させた。母親は30代半ばくらいだろうか。子供はよく見えないが男の子で小学2~3年生といったところか。ぐったりしているように見えた。二人ともびしょ濡れで泥だらけだ。坂本さんは母親に尋ねた。

「いったいどうしたんですか?車にはねられたんですか?救急車じゃなくていいんですか?」だが母親は答えず、「病院へお願いします・・・・病院へ・・・」と繰り返すだけだ。坂本さんは「大丈夫ですよ、病院へ向かっていますから」と答えながらバックミラーに目をやった。母親も苦し気じゃないか、大丈夫なのだろうかと。



「!?」坂本さんはゾッとした。ミラーの中には、後ろに座っているはずの母子の姿がないではないか!誰も映っていないミラーに思わず「ウソだろ!?」と声を上げたが、恐ろしいことに「病院へお願いします・・・早く病院へ・・・」という声だけは聞こえてくる。

これはヤバい。生きた心地がしないまま後ろを見ないようにして、タクシーを運転をしてきたが限界だ。次の交差点で停車させて逃げよう。そんな坂本さんの気持ちを感じ取ったのかわからないが、姿なき母親の「どうか・・・どうか・・・病院へ・・・」 と悲痛な声だけが聞こえる。ダメだ降りて逃げるしかない、市街地に入る交差点まであと少しだ。

次の瞬間、坂本さんは自分の顔のすぐ後ろに人の顔が近づいた気配を感じた。坂本さんは振り向くことなく一心に前へと車を走らせたが、全身は凍り付いたように固くなった。すると母親は座席の間から身を乗り出し坂本さんの顔を覗きこんできたのだ。青白く無表情な顔で坂本さんを見つめている。。。

その時、交差点に差し掛かり角のラーメン店の駐車場に滑り込むようにして停車。急いで車を降りた坂本さんはラーメン店に駆け込んだ。坂本さんの様子を見て店の人やお客さんらがタクシーを見に行ってくれたのだが、誰も乗っていなかった。ただ後部座席はぐっしょりと濡れていた。

ラーメン店の店主によると、二年ほど前に坂本さんが通ってきた道で、母子ひき逃げ事件が発生していた。道路を横断していた母子が轢かれ子供は事故直後に亡くなったが、母親は子供を抱いたまま病院へ運ばれる途中で息を引きとったという。その事件があってから、この通りで幽霊を見たという噂があったようだ。

坂本さんは、ずっとあの母親の顔が脳裡に焼き付いて離れない。深夜の走行中、母親の「病院へ・・・病院へ・・・」という声を思い出すたびに身の毛がよだつという。

※お読みいただきありがとうございました。


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